宗教法人 真宗大谷派 有隣寺

有隣寺だより

有隣寺だより 第45号

有隣寺だより

有隣寺便り第45号   
            2020年8月 文責 有隣寺住職 祖父江佳乃

 いつからでしょう。 〜になれますように。という希望が、 〜が起きませんように。と変わったのは。悲しいことが起きませんように。辛い思いをしませんように。
事を起こすのではなく、事が起きないように願っています。歳を重ねて、仲々はじめの一歩が踏み出せなくなったのは事実。悲しみも、苦しみも、思いがけずに振りかぶるのが人生だと知ってしまったからでしょうか。
「みんな生きるのに必死だから、憎む誰かを探してる」2013年の大河ドラマ『八重の桜』の台詞です。コロナウイルスという言葉を初めて耳にしたのは今年の始め、1月の下旬ごろ。それがあれよあれよという間に、毎日ニュースで流れ、今「あそこでも」「ここでも」と、感染者情報を名指しで聞くようになりました。あちらでもこちらでも、テレビでもラジオでもインターネットでもスーパーでも道でも「コロナ コロナ」と、悪意を持ちながらその言葉を口からこぼしています。 
 私たちから日常を奪ってしまったコロナウイルス。けれど、よくよく考えてみてください。憎むべきは「コロナウイルス」であって、感染者ではないのです。自身が、真実を確かめず「らしいよ」という言葉が独り歩きし、不安を生んでいます。情報過多は間違いなく不安を呼びます。そして不安が重なると不満になります。不満が募ると、憎しみが生まれ矛先を見つけて攻撃するのが悲しいかな人間です。けれど、憎しみは悲しみの解決にはなりません。様々な事を我慢しなくてはならない今ですが、世は無常です。良いことも悪いことも悲しいことも嬉しいことも、いつまでも続きません。必ず必ず、今は過去になるのだから、一緒に踏ん張りましょう。お外に出て空を見上げてください。青空を覆い尽くすような入道雲が出ています。あの雲に向かって、走ったあの時を思い出してください。希望をあの雲に願った頃が有ったはずです。
 空を見上げても、悲しみの行き場が見つからない時は、どうぞ、お寺にお越しください。悲しみや不安を癒すことはできないかもしれないけれど、その悲しみを不安を抱きしめてくれる仏様がいます。有隣寺はどんな時も、門を開けています。広い本堂は密になりません。仏様は何時も、「ようこそ。ようこそ」とお待ちです。いつでも有隣寺にいらしてください。

お知らせ
 8月16日日曜日午後7時半 23日日曜日午後7時半〜 CBCラジオに出演します。お聞きいただけたら嬉しいです。『終活応援団 長谷雄蓮華の人生楽楽ラジオ』AM1053khz FM93.7mhz

 興山舎より出版の『日本のものすごい10人の住職』に有隣寺住職 祖父江佳乃 掲載されております。こちらもお読みいただけたら嬉しいです。(ご希望の方はお寺にお伝えください。税抜き 2000円でおわけいたします)

 9月19日土曜日10時より 秋の彼岸会・永代経 勤修いたします。法話・祖父江佳乃。三密に配慮し、できる限りのコロナウイルス感染防止対策をいたします。

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