宗教法人 真宗大谷派 有隣寺

有隣寺だより

2021年07月13日(火)

2021年 7月 第47号

有隣寺だより

有隣寺便り第47号     2021年7月 文責 有隣寺住職 祖父江佳乃

 蒸し蒸しと暑い日が続きます。お変わりありませんか。
「懐かしさになるには、まだまだ、喪った悲しみが癒えなくて、その悲しみの上に、寂しさが上乗せされて、無常とは無情であると感じています。」
2021年が半分過ぎ去りました。半年間の間に有隣寺も御門徒さんの御葬儀を幾つかお取り次ぎさせて頂きました。大事な人との別れは、厳しく、悲しく、切なく、この先の不安を生み出します。だからこそ、その場に居合せ、葬儀という大事な儀式を執行させていただく寺・僧侶の役目は重大であると認識していたす。僧侶の資格を頂いたとき、先代住職であった父に「葬儀で導師を勤める者は、終わるまで、泣いてはいかん。お浄土へ送るという役目を終えるその時まで、涙を流さず、精一杯にお経をいただき、儀式を執り行いなさい。還骨のお勤めが終わり、衣を脱いだら、初めて、悲しさに身を浸らせなさい。それまでは、お役をしっかりこなしなさい」と教えられました。

葬儀
葬儀でのお勤めは、枕勤めから始まり、通夜、葬場、火屋、還骨となります。
有隣寺では、連絡を頂いて、仏となったそのお方と、対面し、「枕経」をお勤めします。人間は心臓が止まっても、聴覚はその後24時間、聞こえ続けると言われています。亡くなった方へ「仏となったのですよ。極楽浄土へ行くのですよ」とお伝えし、残されたものが、「この方は、極楽浄土へお帰りになり、私たちを照らす存在になられた事」と確信する為、阿弥陀様の極楽浄土をしるした『仏説阿弥陀経』をよみます。その後、納棺、通夜へと続きます。通夜は、近親者や有縁の人々が、仏前に集いつとめて、夜を通して偲ぶ儀式です。生活環境の変化で、「夜を通して」つとめることは難しくなりました。ですが、故人の生前の厚情を偲びつつ、遺された人が共に、「阿弥陀様に帰依し、仏となる」事を頂き、報恩感謝を、出来るだけの時間、共有します。葬場では、仏の教えが示され、故人を通して、それぞれが仏縁に出遇う法縁のお勤めです。故人の息を引き取る。そのお方が、私に教えてくださった大事を引き継いでいく、引き受けていく事を約束します。火屋は火葬前のお勤め、還骨は遺骨を御本尊の前に安置して勤めます。
葬儀は「亡くなった人の冥福を祈り、天国へ送り出す儀式」と理解されているかもしれませんが、浄土真宗では亡くなった人は「阿弥陀様の浄土に生まれて仏となり、迷いの世界にいる遺された人々に仏の教えを伝え、迷いから救う」という教えです。亡くなった方を偲び、感謝の気持ちを表すとともに、仏の教えをいただき、いつか自分にも訪れる死を受け止め、必ず、阿弥陀様のお浄土で、また再会できること=「倶会一処」のご縁をいただく儀式です。
その仏事を執り行うのが僧侶の役目です。泣いていては、儀式執行ができません。全てのお勤めが終わり、衣の脱ぎ、御袈裟を解いてから、初めて泣くことを許されるのが、導師を勤めるも者の心得です。が、まだまだ、どうして、私をお育てくださった方の死に向き合うのはとてもしんどく、お役目だけを熟すのは至難です。沢山の葬儀を執行していても、慣れることなどありません。ただただ、精一杯に声を出しお勤めしています

お盆のお勤め
住職でもあり、園長でもある私は職域接種の実施に伴い8月頭に2回のワクチン接種を完了します。が、人と人との接触機会を7割減らすよう、政府より呼びかけられています。8月13、14、15日にお参りが集中するお盆ですが、感染防止対策の観点から、その3日間に拘らず、新暦である、7月(明治5年に新暦が導入されるまで、お盆は旧暦の7月15日でした。)から御盆経を勤めさせていただいております。御勤めがご希望の方は、有隣寺にご連絡ください。8月13、14、15日をご希望の方はお時間の約束は出来かねます。ご理解ください。

経常費のお礼とお願い
本山よりご依頼の2020年度経常費は、皆様のご協力のお陰で、完納させて頂きました。
7月1日より2021年度のご依頼が始まりました。本年度も、寺院維持費・本山門徒会費として皆様にお願いする事でございます。寺院維持費・門徒会費と親鸞聖人誕生八五〇年・立教開宗八〇〇年慶讃法要費、合わせて一万円を納入ください。
 有隣寺の屋根の破風板に下がる飾り(=懸魚げぎょと呼びます。)が老朽化に伴い、剥がれてきました。コンクリート製ですので、落ちて大事になる前に、全て撤去しました。少し寂しい気もしますが、リスクを考えて仕方のないことです。ご理解ください。撤去費用は寺院維持費から賄います。宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要とは、親鸞聖人の御誕生を祝い、浄土真宗が開かれたことに感謝する法要です。東本願寺では、2023年3月25日から4月14日まで厳修されます。(有隣寺団体参拝予定日4月8日日曜日)

『感動する仏教』
日本を代表する12宗派の宗祖の教えが優しくわかる全12巻のCDがユーキャンから販売されました。7巻、浄土真宗は私、有隣寺住職祖父江佳乃が担当させていただいております。四天王寺の執事勧学部長や、唐招提寺の長老に混じり、大役を勤める事ができたのは、私をお育てくださる皆様のお陰と感謝しております。お聞きいただけたら、幸いです。

『名古屋御坊』
名古屋別院から発刊されている機関誌『名古屋御坊』に有隣寺の省念忌説教大会の記事が
お寺の活動として紹介されました。ともに生きともに育ち合うお寺として、御同行の皆さんと歩んでいる結果と自負しております。これからも有隣寺をよろしくお願いいたします。

行事(コロナウイルス感染症緊急事態宣言等の発令により変更になる場合があります。)
秋の彼岸会・永代経 9月18日土曜日10時より
御みがき 9月16日9時半より
白蓮会 行事のない月の22日 13時半から 仏教の話をわかりやく、優しく
どなたでも参加できます

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